ストレスと健康
ストレスによる影響は性別や年齢を問わず、生活と切り離して考えることのできない身近なものとなりました。子どもから高齢者まで多くの方がストレスを身近に感じながら日常生活を過ごしています。
一般的にストレスとは外部からの刺激に対する身体の反応のことです。ストレスの原因になるものには人間関係や環境の変化などが挙げられます。
肉体や精神にストレスを感じるとき、私たちの体内ではさまざまな変化が起こります。主に影響を受ける3つの器官についてご紹介します。
1
免疫系に及ぼす影響
ストレスが免疫系に与える影響は、神経細胞からサイトカインと呼ばれる伝達物質が過剰に分泌されます。免疫細胞の機能を低下させ、病気の発症や症状の悪化の一因になっていると言われています。アレルギー性疾患、アトピー性皮膚炎、風邪、感染症、花粉症などに影響しています。
2
内分泌系に与える影響
視床下部から下垂体を経て分泌されるステロイドホルモンの増加は、血糖値を上昇させます。進行すると糖尿病の原因となります。また胃酸の抵抗力が弱まり、胃粘膜の防御能力が低下すると胃潰瘍に。甲状腺の機能亢進によってホルモンが必要以上に産生されるとバセドウ病など、身体にさまざまな影響を及ぼします。
3
自律神経系に及ぼす影響
身体がストレスにさらされると、自律神経系では交感神経が優位な状態が続きます。血管に勢いよく血液を送り出すため収縮が強まり、血管の内壁が傷つきやすく血栓ができる原因になります。全身に十分な血液を送るため血圧が上昇し、状態が長引くことで、心筋梗塞や脳梗塞などの原因となります。
ストレスになぜアロマ?
-
REASON01
香りの作用と影響
芳香成分から抽出される精油を使用するアロマテラピーは、さまざまな症状に効果を示します。
精油には複数の成分が含まれ、吸入すると空気と一緒に鼻腔の中に入ります。香り成分は嗅上皮の嗅細胞の先端にある嗅毛に付着し、嗅神経を伝って電気信号を嗅球に送ります。
嗅球は食欲や性欲など、生きていくために活動する本能的な脳で大脳辺縁系の一部です。他にも海馬の「どこかで嗅いだことがある香り(記憶に関わる中枢)」や、扁桃体の「この香りが好き(感情に関わる中枢)」にも香りの情報が伝わります。視床下部や脳下垂体にも伝達されるため、自律神経やホルモンバランスを司る場所に影響を与えます。
香りを嗅ぐことで、免疫系、内分泌系、自律神経系の調整や分泌に影響を及ぼすのはそのためです。
-
REASON02
精油の選択と効果
-
REASON03
アロマセラピーとストレス
ストレスが私たちの身体に与える影響は、精神的、肉体的の両面から及ぼされるものです。アロマセラピーは芳香療法。良い香りを楽しむことが心と身体の両方に作用し、リフレッシュやストレス緩和に効果的です。とても簡単で実践しやすい自然療法です。
病気ではないけれど体調が優れない状態に、アロマテラピーが健康増進の一助として果たす役割は今後ますます増えていくでしょう。免疫系、内分泌系、自律神経系に作用する香りを理解することで、ご自身や家族の健康促進に役立てていきましょう。